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口臭 2
2018年8月29日【カテゴリ:お口の健康にまつわる話 】
皆さんこんにちは!神奈川県海老名駅東口徒歩3分にあります、予防歯科 K’sデンタルクリニック 院長の鎌田です。
口臭の続きをお話していきましょう。
臭いの種類と原因物質
口腔内臭気
硫化水素:卵が腐ったような臭い
メチルメルカプタン:生臭い、野菜が腐ったような臭い
ジメチルサルファイド:ゴミ臭
アンモニア:おしっこのような臭い
各種アミン:公衆便所のような臭い
スカトール:おならのような臭い
アセトン:二日酔いのような臭い
アセトアルデヒド:刺すような臭い
インドール:柿の腐敗臭
エタノール:酒臭い
メタノール:甘酸っぱい臭い
タール:タバコ臭い
炭化物:焦げ臭い
揮発性脂肪酸:たくあんのような臭い
揮発性酸:納豆、チーズ臭い
植物含有及び外来の臭気物質:ニンニク、ネギ、タバコなど
呼気性臭気
アセトン:すえたような臭い、薬品臭い、甘ったるい臭い
イソプレン:ガス臭い
エタン:ゴム臭い
アンモニア:便所臭い
トリメチルアミン:おしっこ臭い
メタノール:甘ったるい臭い
エタノール:酒臭い
トルエン:シンナー臭い
口臭 1
2018年8月28日【カテゴリ:お口の健康にまつわる話 】
皆さんこんにちは!神奈川県海老名駅東口徒歩3分にあります、予防歯科 K’sデンタルクリニック 院長の鎌田です。
今回から口臭についてお話していきましょう。
口臭とは
口の中の嫌な臭い。
口中の不潔または口腔・咽頭・消化器の疾患から起こる。
口臭の分類
1.真性口臭(社会的容認限度を超える明らかな口臭)
1)生理的口臭
2)病的口臭
①口腔由来の病的口臭
②全身由来の病的口臭(呼気性口臭)
2.仮性口臭(社会的容認限度を超える高周波認められず、検査結果などの説明により訴えの改善が期待できるもの)
3.口臭恐怖症(上記以外の口臭)
歯周病とCOPD(慢性閉塞性肺疾患)
2018年8月27日【カテゴリ:お口の健康にまつわる話 】
皆さんこんにちは!神奈川県海老名駅東口徒歩3分にあります、予防歯科 K’sデンタルクリニック 院長の鎌田です。
歯周病とCOPDについてお話していきましょう。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。
タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患であり、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病といえます。
原因
最大の原因は喫煙であり、喫煙者の15~20%がCOPDを発症します。
タバコの煙を吸入することで肺の中の気管支に炎症がおきて、せきやたんが出たり、気管支が細くなることによって空気の流れが低下します。
また、気管支が枝分かれした奥にあるぶどうの房状の小さな袋である肺胞(はいほう)が破壊されて、肺気腫という状態になると、酸素の取り込みや二酸化炭素を排出する機能が低下します。
COPDではこれらの変化が併存していると考えられており、治療によっても元に戻ることはありません。
症状
COPDにかかると、風邪をひいているわけでもないのに咳(せき)や痰(たん)が出ます。
病状はゆっくりと進行していき、次第にちょっとした動作をする際にも、息切れや息苦しさを感じるようになります。
さらに進行すると呼吸困難になり、日常生活に支障をきたします。
重症になると呼吸不全に陥ったり、全身に障害が現れたりすることもあります。
歯周病とCOPD
研究データの分析により、重度の歯周炎に罹患している喫煙者はそうでない人と比較して3倍近くCOPDになることがわかった。
この研究において、喫煙の影響を除外するのは困難であり、喫煙はすべての歯周炎とCOPDとの関連性において修飾因子となり得ると結論付けられました。
2000~22010年の期間でCOPDと診断されて間もない22322名の患者を対象とした調査を2011年まで行った結果、COPD患者は非COPD患者に比べ1.19倍歯周炎になりやすいことが分かった。
加えて、ステロイド投与を受けている症状の悪化したCOPD患者は、1-22倍歯周炎になりやすいことが示された。
歯周病にかかっていると呼吸器感染症を起こしやすくなるため、COPDの症状も悪化させる可能性があると考えられています。
ニコチンによって歯肉の免疫力が落ち、歯肉の抵抗性も落ちてきます。
さらに、高温のタバコを吸うことでハグキの血流が停滞したり、ニコチンなどの有害物質によって、ハグキに炎症が起こります。
細菌が増えやすい環境になり、歯周病にも、COPDにも、さらに肺炎にもなりやすいと言えます。
草むらへダイブ🌱
2018年8月26日【カテゴリ:スタッフブログ 】
皆さんこんにちは!神奈川県海老名駅東口徒歩3分にあります、予防歯科 K’sデンタルクリニック 歯科衛生士の古内です🍉
最近涼しくなったかと思ったらまた暑くなってきましたね!😅
ビィッツの散歩の途中の所に、ネットが張ってある公園で、父とキャッチボールをしながらビィッツを走らせたのですが、
暑くて草の中にダイブ‼︎笑
草の中に埋まっています(笑)
一人で散歩行くときはこの場所でボールを遠くへ飛ばしビィッツを走らせるので、遠くまでボールを飛ばす事が出来るようになりました(笑)
一般女子の中では上級者だと思います😁笑
お気に入りのボールを大事そうに抱いているビィッツでした♪♪
ではまた来週日曜日に(о´∀`о)
歯周病と女性のライフサイクル
2018年8月25日【カテゴリ:お口の健康にまつわる話 】
皆さんこんにちは!神奈川県海老名駅東口徒歩3分にあります、予防歯科 K’sデンタルクリニック 院長の鎌田です。
歯周病と女性のライフサイクルについてお話していきましょう。
女性のライフサイクルの変化は、オーラルヘルスケアにおいて非常に密接に関係しています。
生殖のプロセスと関連したホルモンの影響は、歯周及び口腔組織に影響を与えます。
思春期
思春期の間に、女性は性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)産生の増加がみられます。
この増加は、思春期後の正常な女性の生殖期を通して一定となります。
この時期は性ホルモンの増加に伴い、相互に作用し合う他のホルモンとのバランスが崩れて、歯肉炎になりやすい時期です。
また、受験などの社会的環境の変化が大きくなるので、生活のリズムが崩れやすく、身の回りのことも親の管理を離れる時期なので、歯磨きを怠りがちです。
月経
生殖期間を通じて、性腺刺激ホルモンと卵巣ホルモンのレベルは月々の月経期間中変化します。
エストロゲンとプロゲステロンはステロイドホルモンであり、月経サイクル中に卵巣でつくられます。
卵巣ホルモンは、歯肉組織の炎症を増加させると言われています。
人によっては、月経の始まる前に歯肉組織の浮腫と発赤が増すことがあります。
加えて、歯肉からの滲出液が増加します。
時としてわずかではありますが、歯の動揺も認められます。
妊娠
女性の一生のうちで、最も深淵な身体的・精神的変化が起こる時期です。
妊娠によってホルモンのバランスが崩れます。
つわりなどによって食事の時間が不規則になるとともに、食事の回数が増えたり、食べ物の嗜好が変化します。
吐き気や体が身重になることで、口腔内を清潔に保つことが不十分になりむし歯や歯周病が発生しやすくなります。
歯周病があると、低体重児出産の可能性が上昇します。
経口避妊薬
経口避妊薬は、卵胞ホルモンと黄体ホルモンが含まれた薬で、妊娠しているホルモンレベルを模倣することで、排卵を抑制したり、精子が子宮内に侵入するのを阻止したり、着床するのを阻止したりするものです。
臨床的に妊娠しているのと同様な状態にするので、当然歯周組織は妊娠時と同様な反応を示します。
経口避妊薬を服用している方の方が、妊娠した方より歯肉からの滲出液が多いとも言われていますので、よりケアが必要になります。
子育て期
子育て中は子供の世話が忙しいので、自分自身のことがおろそかになりがちです。
むし歯や歯周病の症状があっても、歯科医院を受診する時間が無いため、病状を悪化させてしまいます。
しかし、虫歯や歯周病の原因菌は感染します。
お子さんのむし歯をつくらないためにも、お母さんのお口の中はきれいにしておかなければなりません。
更年期
閉経が近づくと、卵巣から分泌されるエストロゲンの量が減少します。
脳の「視床下部(ししょうかぶ)」からエストロゲンの分泌刺激ホルモンが分泌されますが、卵巣自体の機能が衰えていることで刺激ホルモンが分泌されてもエストロゲンの分泌量は増えません。
このことによって、視床下部に混乱が起きます。
視床下部は、自律神経のコントロールを行っているので、混乱によって『自律神経失調状態』の症状が強く出ます。
このとき現れる症状が一般に『更年期障害』と呼ばれているものです。
主な症状としては、「イライラ」、「めまい」、「ほてり」、「のぼせ」、「動悸」、「息切れ」、「汗をかきやすい」、「不眠」、「情緒不安定」などがあります。
それに伴って、口の中の抵抗力が減弱しますし、精神的にも身の回りのことをするのが億劫になり、歯磨きも怠りがちになります。
女性ホルモンの量が減ることによって、骨粗鬆症,脳梗塞,心筋梗塞など血管の病気のリスクの増加、アルツハイマー病,萎縮性膣炎 などの病気に罹りやすくなります。
これらは、歯原性菌血症ともかかわっていますので、お口の為にも全身の健康の為にも歯のクリーニングが大切になってきます。
歯周病と喫煙 2
2018年8月24日【カテゴリ:お口の健康にまつわる話 】
皆さんこんにちは!神奈川県海老名駅東口徒歩3分にあります、予防歯科 K’sデンタルクリニック 院長の鎌田です。
歯周病と喫煙についての続きをお話していきましょう。
タバコが歯周病に良くない理由
一酸化炭素には身体の酸素不足を引き起こす作用、ニコチンには血管を収縮させる作用があります。
タバコを吸うと、これらの作用により歯茎の血流は悪化します。
血流が悪くなると歯周組織に栄養分や酸素がしっかり届けられなくなり、抵抗力が低下するため、歯周病の発症リスクを高めてしまうのです。
また、血流の悪化により歯茎の修復機能が低下することから、歯周病の治りを遅くする可能性もあります。
喫煙者は歯周病を自覚しにくい
喫煙は歯周組織の血流を悪くします。
その結果、歯茎からの出血が少なくなるために、歯周病の発症・進行に気付くのが遅れてしまうリスクがあります。
タバコはインプラントの歯周病にも影響します
失った歯を補う方法としてインプラントが挙げられますが、タバコはインプラント治療のリスクファクターでもあります。
これは、タバコに含まれる一酸化炭素やニコチンの作用により、オッセオインテグレーション(インプラント体と骨の結合)が妨げられることや、インプラント周囲炎を引き起こす可能性があるためです。
インプラント周囲炎とは普通の歯と同じ細菌(歯周病菌)が原因で発症する、いわばインプラントの歯周病のことです。
インプラント周囲炎が進行すると最悪インプラントを摘出しなければならなくなることもあるため、インプラント治療の前には必ず歯周病治療を行う必要があります。
タバコを吸う人は、吸わない人に比べて歯周病にかかりやすく、歯周病の進行も早く、歯周病治療を行っても治りにくい傾向にあることが研究で明らかになっています。
ですので、タバコを吸っている方は、吸っていない方と比較した場合、歯周病が改善しない確率がとても高いため、治療に専念する場合は、まず禁煙から始めることをおすすめしています。
友達の赤ちゃん👶🍼💕
2018年8月23日【カテゴリ:スタッフブログ 】
皆さんこんにちは!神奈川県海老名駅東口徒歩3分にあります、予防歯科 K’sデンタルクリニック TC甲斐です👯♀️✨
この間友達が出産祝いのお返しを持ってきてくれました😭😭💗
めちゃめちゃ可愛くて❤でも抱っこしたら泣かれました。悲しい(´°‐°`)笑
赤ちゃん👶初めましてだからぴーちゃんめちゃ興味津々。笑
そして、久々に集まった仲良しメンバーと海の家行ってきましたん💓とっても楽しかったです😘
最近夏風邪多いので気を付けて下さい😞😞
では、また来週です👯♀️✨
歯周病と喫煙 1
2018年8月22日【カテゴリ:お口の健康にまつわる話 】
皆さんこんにちは!神奈川県海老名駅東口徒歩3分にあります、予防歯科 K’sデンタルクリニック 院長の鎌田です。
歯周病と喫煙についてお話していきましょう。
タバコは「百害あって一利なし」と言われるほど、私たちの身体に悪影響を及ぼす存在として広く知られています。
心疾患や脳疾患、ガンの発症などそのリスクは様々ですが、そのうちの害のひとつとして挙げられるのが歯周病です。
喫煙は歯周病の二大危険因子のひとつで、喫煙と歯周病は密接に関連しています。
そして口腔、特に歯周組織は、能動喫煙だけでなく受動喫煙・三次喫煙でも、直接悪影響を受ける最初の関門になります。
また親の喫煙により、子供の歯肉にメラニン色素沈着として早期に高率にあらわれます。
しかし適切に診断した上で、本人が禁煙もしくは周囲の受動喫煙がなくなれば歯周病は改善します。
タバコの煙の成分
タバコには4000種以上の化学物質が含まれており、そのうち有害物質は200種類以上にものぼります。
また、有害物質のうち40~60種類が発がん性物質であることもわかっています。
特に、タバコの三大有害物質と言われているのが「一酸化炭素」「ニコチン」「タール」の3つです。
一酸化炭素
たばこの煙のうち、1~3%は一酸化炭素が含まれています。
一酸化炭素は、酸素不足の環境下で不完全燃焼を起こすと発生する気体です。
一酸化炭素は血液中のヘモグロビン(赤血球)と結合しやすい特徴を持っており、その結合のしやすさは酸素の200倍以上です。
ヘモグロビンは酸素と結合することで全身に酸素を運搬しています。
ところが、一酸化炭素が発生し続けると酸素がヘモグロビンと結合できないため、身体が酸素不足に陥ります。
これを一酸化炭素中毒といいます。
ニコチン
タバコに含まれるニコチンは、歯ぐきの血液の流れを悪くし、歯ぐきに十分な酸素や栄養を十分行き渡らせなくするだけでなく、唾液の分泌量も抑えてしまうため、プラーク(歯垢)や歯石を付きやすくします。
タール
タールは一酸化炭素などの気体を除く粒子状の成分で、ヤニとも呼ばれます。
煙草を吸うと部屋の壁や天井、歯の表面などに黒い汚れが付着するのは、このタールが原因です。
タールには有害物質や発がん性物質が多量に含まれています。
無数の化合物の集まりであることから化学的に安定しておらず、生体物質などと化学反応を起こすことで身体に悪影響を及ぼすリスクがあります。
歯周病とバージャー病
2018年8月21日【カテゴリ:お口の健康にまつわる話 】
皆さんこんにちは!神奈川県海老名駅東口徒歩3分にあります、予防歯科 K’sデンタルクリニック 院長の鎌田です。
歯周病とバージャー病についてお話していきましょう。
バージャー病
たばこを吸う20才代から40才代の男性(女性は少ない)にみられる代表的な手足の動脈の病気です。
しかもだんだんと血管がつまってくるために,ほっておけば足が腐ってしまう病気です。
別名として特発性脱疽とか,閉塞性血栓血管炎とか言われることがあります。
病気は,足趾(あしゆび)や指にチアノーゼ(皮膚が濃い青紫色になること)や強い痛みがおこり,時間ともに皮膚が剥げたような潰瘍,腐った壊死と呼ばれる状態になります。
ついには足だけの切断,ひどくなると膝関節の15cm位下での切断になることがあります。
静脈にも炎症を起こすこと,たばこをやめると病気が進行しないことなど特徴があります。
20世紀初頭から病因としていろいろな説が出ましたが、ほとんどが否定されました。
若者に多いことと、糖尿病や脂質異常症(高脂血症)、また高血圧がないのが診断の決め手です
歯周病とバージャー病
そんな中2005年に歯周病菌病因説が大きく報道されました。
バージャー病患者は歯が極めて悪いこと、歯のない人も多く、歯周病に中等から高度におかされていることがわかり、歯周病菌は、口のなかのリンパ管を通じて血中にはいり、体のあちこちで発見されていることもわかりました。
決定的に病因説を裏付けたのは、歯周病菌が血小板の中に入り込んで、または囲まれて血中に生きていることを電子顕微鏡を使って証明したことです。
取り込まれるだけでなく大きな血小板凝集塊を作ります。
それが塞栓子として働けばバージャー病のいろいろな所見、症状、禁煙でやむ病勢などが説明でき、静脈に、高頻度に炎症や血栓、弁不全を起こすことも毛細管をくぐり抜けた菌のなせる技とすれば、理解できます。
バージャー病は、たばこを吸って歯周病を悪化させた若者が、歯周病菌を含む血小板血塊により末梢動脈閉塞を起こすことによるのであるとの考えが現在は一番可能性が高いと言われています。
従って、バージャー病は、たばこをやめて歯周病を治し、運動療法やときに交感神経切除を行えば、回復するかもしれません。
歯周病と糖尿病 7
2018年8月20日【カテゴリ:お口の健康にまつわる話 】
皆さんこんにちは!神奈川県海老名駅東口徒歩3分にあります、予防歯科 K’sデンタルクリニック 院長の鎌田です。
歯周病と糖尿病の続きをお話していきましょう。
歯周病と糖尿病の関連
糖尿病になると体に様々な変化が起こり、口の中の環境も変えてしまいます。
1.口の中が渇くため、唾液による自浄作用が低下し、口の中に細菌が停滞しやすい。
2.唾液中に糖が含まれるため、歯垢が増殖しやすい。
3.体の免疫力が低下するため、歯周病菌に感染しやすい。
4.血流障害や代謝異常が生じて組織の修復力が低下するため、歯周病が進行しやすい。
上記の理由により、糖尿病になると歯周病になり易く、さらに重症化しやすいと言われています。
歯周病が血糖コントロールを悪化させる
近年、歯周病の進行により産生されるTNF-αという炎症性サイトカインが血糖コントロールに悪影響を及ぼしていると言われています。
歯周病が進行すると、歯と歯肉の隙間が深くなり歯周ポケットが形成されます。
歯周ポケットの中は、酸素が無くても増殖できる細菌(嫌気性菌)にとって居心地の良い場所です。
嫌気性菌である歯周病菌は歯周ポケット内で増殖します。
そして内毒素を放出して歯周組織を破壊していきます。
歯周病菌は腫れた歯肉から容易に血管内に侵入し全身に回ります。
血管に入った細菌は体の力で死滅しますが、歯周病菌の死骸の持つ内毒素は残り血糖値に悪影響を及ぼします。
血液中の内毒素は、脂肪組織や肝臓からのTNF-αの産生を強力に推し進めます
このTNF-αは、血液中の糖分の取り込みを抑える働きもあるため、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きを邪魔してしまうのです。(インスリン抵抗性)
インスリンの働きを悪くするため、血糖値が高くなると言われています。
TNF-αとは
脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカイン (生理活性物質) の 1 つで、筋肉、脂肪組織や肝臓での糖の働きを抑制する作用があります。
肥満時には増加し、糖尿病や動脈硬化などのリスクを高めます。
内毒素とは
細菌の細胞壁に含まれる毒物。
細菌が死滅しても毒は残る。
エンドトキシンともいう。
歯周病治療で血糖値が下がる!
最近では歯周病と糖尿病は密接に関連していると言われており、歯周病の治療をすると血糖コントロールが改善するという研究成果も数多く報告されています。
ここでの「歯周病の治療」とは、患者さん自身のブラッシングによるプラークコントロールをしっかり行い、歯科医院で炎症の原因となっている歯石を確実に取り除く(スケーリング)ことです。
そうすることで歯肉の炎症をコントロールできればインスリン抵抗性が改善し、血糖コントロールも改善するということが、日本での研究を含めた多くの臨床研究で報告されています。
一方で、血糖値の低下が生じない患者さんがいることも明らかになっており、どのような糖尿病患者さんで血糖値が下がりやすいのかを調査した今後の研究成果が待たれています。