ブログ
ブログ切り替えはこちらから
歯周病とCOPD(慢性閉塞性肺疾患)
2018年8月27日【カテゴリ:お口の健康にまつわる話 】
皆さんこんにちは!神奈川県海老名駅東口徒歩3分にあります、予防歯科 K’sデンタルクリニック 院長の鎌田です。
歯周病とCOPDについてお話していきましょう。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。
タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患であり、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病といえます。
原因
最大の原因は喫煙であり、喫煙者の15~20%がCOPDを発症します。
タバコの煙を吸入することで肺の中の気管支に炎症がおきて、せきやたんが出たり、気管支が細くなることによって空気の流れが低下します。
また、気管支が枝分かれした奥にあるぶどうの房状の小さな袋である肺胞(はいほう)が破壊されて、肺気腫という状態になると、酸素の取り込みや二酸化炭素を排出する機能が低下します。
COPDではこれらの変化が併存していると考えられており、治療によっても元に戻ることはありません。
症状
COPDにかかると、風邪をひいているわけでもないのに咳(せき)や痰(たん)が出ます。
病状はゆっくりと進行していき、次第にちょっとした動作をする際にも、息切れや息苦しさを感じるようになります。
さらに進行すると呼吸困難になり、日常生活に支障をきたします。
重症になると呼吸不全に陥ったり、全身に障害が現れたりすることもあります。
歯周病とCOPD
研究データの分析により、重度の歯周炎に罹患している喫煙者はそうでない人と比較して3倍近くCOPDになることがわかった。
この研究において、喫煙の影響を除外するのは困難であり、喫煙はすべての歯周炎とCOPDとの関連性において修飾因子となり得ると結論付けられました。
2000~22010年の期間でCOPDと診断されて間もない22322名の患者を対象とした調査を2011年まで行った結果、COPD患者は非COPD患者に比べ1.19倍歯周炎になりやすいことが分かった。
加えて、ステロイド投与を受けている症状の悪化したCOPD患者は、1-22倍歯周炎になりやすいことが示された。
歯周病にかかっていると呼吸器感染症を起こしやすくなるため、COPDの症状も悪化させる可能性があると考えられています。
ニコチンによって歯肉の免疫力が落ち、歯肉の抵抗性も落ちてきます。
さらに、高温のタバコを吸うことでハグキの血流が停滞したり、ニコチンなどの有害物質によって、ハグキに炎症が起こります。
細菌が増えやすい環境になり、歯周病にも、COPDにも、さらに肺炎にもなりやすいと言えます。