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歯周病とがん
2018年7月31日【カテゴリ:お口の健康にまつわる話 】
皆さんこんにちは!神奈川県海老名駅東口徒歩3分にあります、予防歯科 K’sデンタルクリニック 院長の鎌田です。
今回は歯周病とがんについてお話していきましょう。
先にお話しておきますが、いまだ、歯周病とがんを結び付ける正確なメカニズムはいまだ不明です。
しかし、歯周病ががんの発症リスクを上昇させているという研究データが多数存在しています。
歯周病だと、各種がん発症リスクが大幅アップ!
「歯周疾患がある場合になんらかの癌を発症するリスクは、ない場合に比べて14%高い」
2008年にイギリスのImperial College Londonの研究者、Dominique S. Michaud博士らが発表した研究結果です。
40歳から75歳の男性約5万人を17年以上にわたって追跡調査し、がんの発症と歯周疾患に関連があるかを調べた研究の結果でした。
「歯周病によってリスクが上がるがんは口腔がんや喉頭がんなど口に関係する部位のがんだろう」と思うかもしれませんが、そうとは限りません。
この研究によれば、特に発症リスクが高かったのは54%増の膵がん、49%増の腎がん、36%増の肺がん、30%増の血液がんでした。
「たかが歯茎の腫れ」が、あなたをがんにするかもしれません。
歯周病のせいでがん治療が遅れるかも?
放射線治療や、化学療法と呼ばれる抗がん剤を用いた治療には多くの副作用があります。
疲れやすさや下痢など体力が落ちるので、食事で栄養を取るのが大事なのに、吐き気やおう吐、食欲不振で、食べ物がのどを通りにくくなります。
治療のつらさで、人格が変わったようになることも少なくありません。
また、がん治療によって、感染症にかかりやすくもなります。
特に口が渇くため、口の感染症が増え、口内炎ができたり、歯周病が悪化したりします。
一般的な抗がん剤治療を受ける患者の約4割、造血幹細胞移植治療のような強い抗がん剤治療を受ける患者の約8割に、口に関係する何らかの副作用が現れると報告されています。
そのため、医師はがん治療を開始する前に、歯科で虫歯や歯周病の治療をしておくようにと言う事が多くなっています。
がん治療のガイドラインなどにもこのことは記載されており、がん治療開始前の歯科治療は現在のがん治療の常識となってきています。
重症の歯周病があり、治療に時間がかかるようであれば、がんの治療開始が遅れる場合もあります。
さらには、がん治療を始めたものの、歯周病の悪化など、口内の問題により、治療を中止せざるを得なくなることもあるそうです。
「がんのリスクを減らしたい」「がんになっても死にたくない」「治療を受けてまた元気になりたい」と思うなら、口の中を健康な状態にしておくことをおススメします!