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虫歯予防法 その2フッ素について
2018年4月25日【カテゴリ:お口の健康にまつわる話 】
皆さんこんにちは!神奈川県海老名駅東口徒歩3分にあります、予防歯科 K’sデンタルクリニック 院長の鎌田です。
前回はフッ素をうまく使えば歯の質が強くなるとお話ししました。
では、そもそもフッ素とはどんなものでしょうか?
今回はフッ素についてお話ししましょう。
フッ素とは、地球の地殻で17番目に多い元素で、単体では存在しにくく、自然界では他の元素と結合してフッ化物として存在しています。
フッ化物は火山活動の結果生じるマグマに由来しているので、地球上のあらゆる場所(地殻、海水を含むすべての水など)に存在します。
フッ化物はミネラルであり、WHO(世界保健機構)やFAO(食糧農業機関)は必須栄養素に指定しています。
体を構成する元素は主要元素と微量元素に分けられます。フッ素は微量元素であり、生命と健康維持に欠かすことのできない必須微量元素であると考えられています。
実際に哺乳類を用いた実験で、フッ素を欠乏食を与え続けたところ、成長阻害や寿命減少という結果が報告されています。
私たちの体の構成要素でもありますが、フッ素は特にカルシウムと仲が良く、カルシウム成分の多い歯や骨に多く含まれています。
適量のフッ化物を摂取すると、歯や骨が強くなるのはこのためです。
あっ、言い忘れてましたがフッ素は骨も強くしてくれますよ。骨密度が増しますので、骨の強化と骨折予防に効果があります。
フッ化物の許容摂取量は?
歯のフッ素症や骨フッ素症などの慢性の副作用を生じることのない許容摂取上限値は、1~3歳で1.3㎎、4~8歳で2.2㎎、9歳以上で10㎎です。また、副作用を生じることなく最大のむし歯予防を発揮するフッ化物の適正摂取量は体重1㎏あたり1日に0.05㎎となっています。
参考値として、アメリカの医学研究所食品栄養局(Food and Nutrition Board of the Institute of Medicine)が1997年に発表した栄養所要量があります。これによれば、集団の97~98%において歯のフッ素症や慢性の副作用を生じることのない許容摂取上限値は、1~3歳で1.3㎎、4~8歳で2.2㎎、9歳以上で10㎎です。また、副作用を生じることなく最大のむし歯予防を発揮するフッ化物の適正摂取量は1日に0.05㎎/体重1㎏となっています。これによると体重65㎏の成人男性では3.25㎎が適正摂取量であり、過去において報告されている日本人のフッ化物摂取量(およそ0.48~2.8㎎)は少ないといえます。
水分摂取量や食物からのフッ化物の摂取量には個人差がありますが、安全性が問題になることはありません。
アメリカ医学研究所食品栄養局によるフッ化物の適正摂取量は1日0.05㎎/㎏ですから、体重65㎏の成人では3.25㎎となります。また、1日の摂取量の上限値は成人で10㎎となっています。日本人では食品による1日のフッ化物摂取量が0.4~1.8㎎とされていますから、0.8ppmに調整された水道水(日本の水道水は水道法によって0.8ppm以下に制限されています)を1日1.5リットル飲んでもフッ化物の総摂取量は1.6~3.0㎎となり、他の飲食物からの摂取量に多少の差があっても上限値を超えるものではなく、問題はありません。
フッ化物の食品中に含まれる量は
食品 | 穀類 | 豆類 | 肉類 | 野菜類 | 果実類 |
濃度ppm(mg/kg) | 0.1~2.5 | 0.5~3 | 0.3~2 | 0.1~1 | 0.1~1 |
どうです?フッ素って物が分かってきましたか?
日本では、フッ素=毒みたいに考えてしまう方が少なからずいらっしゃいます。
しかし、毒ではなく、むしろ必須なものであり、適正量を守ればより健康を維持するのに非常に役立つものであると言えます。
薬も摂りすぎれば毒となる。
ビタミンも同じですよね。
体に必要不可欠な栄養素の1つであり、老化防止や生活習慣病予防、美肌効果など様々な健康効果で有名なビタミンEも過剰摂取してしまうと
・吐き気や下痢
・肝機能の低下
・血液が固まりにくくなる(⇒脳卒中のリスク増加)
・骨粗鬆症になりやすくなる
などが報告されています。
正しい知識で正しく予防を!
次回はフッ素の効果についてお話していきます。