ブログ
ブログ切り替えはこちらから
虫歯予防法 その1歯の質
2018年4月24日【カテゴリ:お口の健康にまつわる話 】
皆さんこんにちは!神奈川県海老名駅東口徒歩3分にあります、予防歯科 K’sデンタルクリニック 院長の鎌田です。
今回から虫歯の予防法についてお話していきます。
「虫歯予防法は?」と言うと、「脱灰と再石灰化の揺れ動く天秤を大きく揺り動かさず、再石灰化に傾くようにうまくコントロールすれば良い」わけですが、実際にはどうしたら良いのでしょうか?
その方法は幾つかありますが、今回は先日お話しした「カイスの輪」の「歯」に着目してお話していきましょう。
先にお話しした通り、歯はPh5.5~5.7で溶け始めます。
では、この5.5~5.7の幅はどういう事でしょうか?
生えたばかりの歯は乳歯は言うに及ばず永久歯も非常に脆弱です。
ここでいう「脆弱」とは、「溶けやすい」ということです。つまり、より中性に近い値でも溶け始めてしまうということです。つまり、「歯の質が弱い」ということです。
生えたばかりの乳歯や永久歯は何故脆弱なのでしょうか?
実は、生えたばかりの歯のエナメル質は実は非常に柔らかいのです。その理由は、「石灰化度が低いから」です。
石灰化とは、カルシウムイオンが細胞に沈着することをいい、結果として硬化した組織が形成されるのですが、生えたばかりのエナメル質はこの石灰化度が30%位しかありません。
前回説明した、唾液による再石灰化を受けて、成熟していくのですが、虫歯になりにくい成熟したエナメル質になるまで、通常約5年はかかると言われています。
フッ素は、未成熟なエナメル質に早期に取り込まれるのエナメル質の結晶(ハイドロキシアパタイト)を唾液のカルシウムで石灰化するよりもより高度の高い結晶フルオロアパタイト)に変える効果があります。
つまり、フッ素を上手に使えば早期により強い歯に変われるということです。