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歯周病と糖尿病 5
2018年8月17日【カテゴリ:お口の健康にまつわる話 】
皆さんこんにちは!神奈川県海老名駅東口徒歩3分にあります、予防歯科 K’sデンタルクリニック 院長の鎌田です。
歯周病と糖尿病の続きをお話していきましょう。
糖尿病の合併症
血糖値が高い状態が長く続くと、合併症が起こる可能性が高くなります。
治療をきちんと行い血糖コントロールをすることで、新たな合併症が起こるのを防ぎ、また、起きてしまった合併症の進行を抑えることができます。
細小血管症
細い血管にみられる糖尿病に特徴的な合併症です。「糖尿病の3大合併症」と呼ばれる病気を指します。
1.糖尿病網膜症
網膜の血管が障害され、目のかすみ、視力低下などがあらわれ、症状が進むと失明してしまうこともあります。
少なくとも年に一度は眼科の検査を受けましょう。
2.糖尿病腎症
糖尿病により腎臓の働きが悪くなると、血圧が上昇する、尿中にたん白が出る、体がむくむなどの症状があらわれます。
さらに症状が進むと、血液中に老廃物がたまり、腎不全や尿毒症など生命にかかわる重篤な症状を引き起こします。
このように慢性に経過する腎臓病のことを慢性腎臓病(CKD)といいます。
なお、腎不全になってしまうと、人工透析を受ける必要が出てきます。
透析導入の原因の第1位は糖尿病腎症です。
3.糖尿病神経障害
神経が障害され、信号がすばやく体のすみずみまで伝達するという働きが低下します。
手足のしびれ、ほてり、痛みなどがあらわれます。
一方、足の感覚が麻痺して、傷があったとしても気づかずに放置してしまい、足の潰瘍や壊疽になることもあります。
足は清潔に保ち、常に注意を払うようにしましょう。
大血管症
大きな血管の病気である動脈硬化により起こる合併症で、脳卒中や、心筋梗塞、足の壊疽などがあります。
動脈硬化は糖尿病があると進行しやすくなり、合併症による深刻な状況を引き起こす原因になります。
また、脂質異常症、高血圧、喫煙、肥満、加齢なども動脈硬化の危険因子ですので、血圧やコレステロール値などの検査も定期的に受け、血糖のコントロールに加えて、コレステロール値や血圧、肥満の改善、禁煙に取り組みましょう。
1.脳卒中
脳卒中にはいくつかのタイプがありますが、代表的なものは脳梗塞と脳出血です。
脳の血管が詰まるタイプの代表が脳梗塞で、脳の血管が破れるタイプの代表が脳出血です。
そのうち、糖尿病患者さんに多いのは脳梗塞です。
手足の麻痺や言葉が急に出なくなる、ものが二重に見えるなどの症状がみられ、重症の場合は生命に関わります。
2.心筋梗塞
心臓の筋肉(心筋)に栄養や酸素を送る血管(冠動脈)の動脈硬化によって引き起こされる病気で、心臓の働きが著しく低下し、生命にかかわることがあります。
糖尿病患者さんは冠動脈の疾患を起こす危険度は高いとされています。
息切れしやすい、脈が途切れる、体がむくむなどの症状は、心筋梗塞の前触れの可能性があります。
3.末梢動脈性疾患
足の血管の動脈硬化により血流が悪化することで引き起こされます。
足やふくらはぎが痛くなり運動ができない、休みながらでないと歩けないなどの症状があらわれます。
運動ができなくなり、生活の範囲も制限されてしまいます。
さらに症状が進むと、潰瘍や壊疽を起こしてしまい、足を切断しなければならない場合もあります。