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白い悪魔 2
2018年6月29日【カテゴリ:お口の健康にまつわる話 】
皆さんこんにちは!神奈川県海老名駅東口徒歩3分にあります、予防歯科 K’sデンタルクリニック 院長の鎌田です。
砂糖についての続きです。
砂糖の種類
原料によって、
・甘蔗糖(かんしょ糖)
・甜菜糖(てんさい糖)
・やし糖(ココナッツシュガー)
色によって、白砂糖・赤砂糖・黒砂糖などと分類できます。
甘蔗糖(かんしょ糖)は「サトウキビ」から作られる砂糖です。一番よく使われている砂糖となります。
サトウキビの主成分であるショ糖と蜜を分けずに作られるのが、「黒砂糖(黒糖)」です。
もう一方が、サトウキビから蜜を取り出し精製することで、「ショ糖」がメイン成分となる「精製砂糖」(上白糖、グラニュー糖、三温糖など)になります。
黒砂糖(黒糖)には、蜜由来の豊富なミネラル成分が含まれますが、白砂糖(上白糖、グラニュー糖)には黒砂糖のようなミネラルは含まれないです。
三温糖は、白砂糖(上白糖、グラニュー糖)と比べると、微量にミネラル成分が含まれてはいるものの、ほんのわずかなミネラルの量ですから、白砂糖より体によいということは決してありません。むしろ、「上白糖を分離して残った糖液を数回加熱してからめる色を付けた砂糖」なので、メイラード反応した砂糖=焦げた砂糖となります。発がん率は白砂糖よりも高いかもしれません。
スーパーで見かける「きび糖」という砂糖もありますが、これは黒砂糖の不純物を少しだけとりだして、ミネラルを少し残している砂糖です。
精製された白砂糖や三温糖と、精製されていない黒砂糖の中間位置的な砂糖となります。
砂糖の害
白い砂糖が体にとって良くないことは、何となくでもほとんどの人は既にご存知かと思います。
では、何故体にとって良くないのでしょうか?
砂糖(糖分)が体と脳に及ぼす影響のメカニズム
砂糖(糖質)が方だと脳に影響を及ぼすメカニズムをお話していきましょう。
ポイントは血糖値と脳内物質です。
低血糖症の問題
砂糖を摂ると、体内では消化酵素が働き、ブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)に分解されます。
この最小単位あるブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)にまで分解されたのち、小腸で吸収されたブドウ糖(グルコース)により、血糖値が上がります。
砂糖の場合は、お米やイモ類のような多糖類と比べると、分解・吸収速度が早く、急激な血糖値上昇がおこります。
なぜ、急激な血糖値上昇が体にとってよくないのでしょうか。
それはインスリンという血糖値を下げるホルモンとの関係にあります。インスリンは食事スタート時よりも、一歩おくれて分泌される特徴があります。
お米などの多糖類のように、分解されるのに時間がかかる食品であれば、通常のインスリン分泌のタイミングでも間に合います。
しかし、ブドウ糖入りのジュース、白砂糖のように吸収速度の速い食品では、インスリン分泌が間に合いません。
すると、急激に血糖値が上がってしまうのです。
さらに、遅れて分泌されてしまったインスリンの影響で、今度は血糖値が下がりすぎてしまい、低血糖となります。
一気に上がったものを、また一気に下げようとする訳なので、血糖値のバランスは崩れ、体と脳に大きな負担がかかる訳です。
これで終わりではありません。
血糖値の急降下を防ぐために、次の物質が脳内に放出されます。
それが攻撃ホルモンとも呼ばれるアドレナリンです。
アドレナリンは無理やり血糖値をもとに戻そうとするため、さらに体と脳に負担がかかります。
まるでジェットコースターのように血糖値のアップダウンを繰り返す…これが砂糖(糖質)が身体と脳に影響を与えるメカニズムです。
精神面への影響
砂糖のような精製された糖質を過剰に摂ると、イライラやキレやすくなる、うつ傾向や不安感などの精神面での症状が出てしまうことがあります。
これは、先に述べたアドレナリンが関わっています。
アドレナリンは興奮作用があり、過剰の場合はイライラ感やキレやすくなることもあります。
また、ノルアドレナリンの過剰は不安感や恐怖感というような問題が生じます。
こうした現代の精製された砂糖の普及が、キレやすい子供を増やしていると警鐘を鳴らす専門家もいます。
うつ病で治療している人の中でも、実はうつ病ではなく、精製された砂糖の過剰摂取による低血糖症が精神疾患の原因だったという人は少なくはありません。
こうした人は、精製された砂糖をやめるだけで、症状が落ち着いていくことがあります。