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オーラルフレイル
2018年9月27日【カテゴリ:お口の健康にまつわる話 】
皆さんこんにちは!神奈川県海老名駅東口徒歩3分にあります、予防歯科 K’sデンタルクリニック 院長の鎌田です。
8月から半年にわたって海老名市でオーラルフレイルの調査と改善プログラムが開始されています。(海老名市在住の65歳以上で市から案内を受け取った方が対象です)
では、オーラルフレイルとは何でしょうか?
今回はオーラルフレイルについてお話していきましょう。
オーラルフレイルとは?
英語で「オーラル」は『口腔の』、「フレイル」は『虚弱』を意味します。
2つの単語の掛け合わせで、簡単にいうと『口を介した体の衰え』のことです。
年齢を重ねて足腰の筋力が低下するのは、一般的にごく当たり前のことですが、『口の衰え』が身体全体、さらには精神的な部分や社会的な面も含めて、健康と大きな関わりがあるのです。
特に高齢者の方の衰えについては、介護が必要な状態にならないようにと、身体を動かして鍛える、あるいは筋力を維持することの重要性がフォーカスされがちです。
口腔の役割
(1)食べ物を噛んで飲み込む栄養摂取の入り口
(2)会話を行うコミュニケーションの窓口
です。
やはり口の重要性というと、食べること、栄養摂取の部分が真っ先に思い浮かぶと思います。
しかし、人と会話をする、コミュニケーションに支障をきたすこともあり、そのことはとても大きな問題といえます。
そもそも「オーラルフレイル」は、口の中の食べ物を飲み込む嚥下機能や、舌や唇を動かす力やスピードといった口腔機能の低下によって『うまく噛めない、咀嚼ができない』という悩みからはじまります。
うまく噛むことができないと、食べられない食品が増えるため、食事量や食欲が減少していきます。
栄養が摂取できなければ身体は弱ってしまいますよね。
加えて、口を動かす機能の低下は発音や会話がスムーズにできなくなってしまうため、人と会ったり外出したりすることがしだいにおっくうになってしまうのです。
口の機能の低下が、人との関わりの減少にまでもつながってしまうんです。
家でじっとしていては、運動量の低下はもちろん、体のさまざまな機能も衰えていきます。
やがて日常の生活動作でさえも困難になりかねません。
また社会との関わりが薄れることで、行動意欲の低下にもつながり、活発さも失われます。
口腔機能が低下した末に、うつっぽくなって家に閉じこもりがちになる……というのは、ありがちな話です。
高齢になると、歯磨きや自分の口腔内のケアやチェックが上手にできなくなりがちです。
その結果、口腔内が不潔になり、歯周病やむし歯が増えます。
歯周病やむし歯で歯を失うと、より一層噛む力が低下します。
残っている歯の本数と、咬合力(歯を噛みしめたときの力)や咀嚼力には密接な関係があるとされ、一般的に残存歯が20本未満になると、咬合力はガクンと低下します。
すると、食べこぼしや噛み切れない物が増えて、体内に取り入れることができなくなってしまい、「オーラルフレイル」に陥りやすくなるのです。
通常の老化現象ではないの?
たしかに、年齢とともに身体は衰えます。
高齢で体が衰えるのは、自然なこと、仕方がないことです。
「オーラルフレイルは誰にでも起こる一種の老化現象では?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、オーラルフレイルは、なにも手を打たなければ、坂道を転がっていくように悪い状態に進んでしまいますが、途中でブレーキをかけて止まったり、反対に坂道を上ったりすることは十分可能です。
つまり健康な状態に戻していくことができるのです。
オーラルフレイルの予防法は?
話す、食べるなど日常の行為を通じて、口をしっかり動かして使うことが大事です。
話す、食べるという行為は何気ないことではありますが、重要なのは自分の歯や口の健康につながることだと、認識することです。