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歯周病と女性のライフサイクル
2018年8月25日【カテゴリ:お口の健康にまつわる話 】
皆さんこんにちは!神奈川県海老名駅東口徒歩3分にあります、予防歯科 K’sデンタルクリニック 院長の鎌田です。
歯周病と女性のライフサイクルについてお話していきましょう。
女性のライフサイクルの変化は、オーラルヘルスケアにおいて非常に密接に関係しています。
生殖のプロセスと関連したホルモンの影響は、歯周及び口腔組織に影響を与えます。
思春期
思春期の間に、女性は性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)産生の増加がみられます。
この増加は、思春期後の正常な女性の生殖期を通して一定となります。
この時期は性ホルモンの増加に伴い、相互に作用し合う他のホルモンとのバランスが崩れて、歯肉炎になりやすい時期です。
また、受験などの社会的環境の変化が大きくなるので、生活のリズムが崩れやすく、身の回りのことも親の管理を離れる時期なので、歯磨きを怠りがちです。
月経
生殖期間を通じて、性腺刺激ホルモンと卵巣ホルモンのレベルは月々の月経期間中変化します。
エストロゲンとプロゲステロンはステロイドホルモンであり、月経サイクル中に卵巣でつくられます。
卵巣ホルモンは、歯肉組織の炎症を増加させると言われています。
人によっては、月経の始まる前に歯肉組織の浮腫と発赤が増すことがあります。
加えて、歯肉からの滲出液が増加します。
時としてわずかではありますが、歯の動揺も認められます。
妊娠
女性の一生のうちで、最も深淵な身体的・精神的変化が起こる時期です。
妊娠によってホルモンのバランスが崩れます。
つわりなどによって食事の時間が不規則になるとともに、食事の回数が増えたり、食べ物の嗜好が変化します。
吐き気や体が身重になることで、口腔内を清潔に保つことが不十分になりむし歯や歯周病が発生しやすくなります。
歯周病があると、低体重児出産の可能性が上昇します。
経口避妊薬
経口避妊薬は、卵胞ホルモンと黄体ホルモンが含まれた薬で、妊娠しているホルモンレベルを模倣することで、排卵を抑制したり、精子が子宮内に侵入するのを阻止したり、着床するのを阻止したりするものです。
臨床的に妊娠しているのと同様な状態にするので、当然歯周組織は妊娠時と同様な反応を示します。
経口避妊薬を服用している方の方が、妊娠した方より歯肉からの滲出液が多いとも言われていますので、よりケアが必要になります。
子育て期
子育て中は子供の世話が忙しいので、自分自身のことがおろそかになりがちです。
むし歯や歯周病の症状があっても、歯科医院を受診する時間が無いため、病状を悪化させてしまいます。
しかし、虫歯や歯周病の原因菌は感染します。
お子さんのむし歯をつくらないためにも、お母さんのお口の中はきれいにしておかなければなりません。
更年期
閉経が近づくと、卵巣から分泌されるエストロゲンの量が減少します。
脳の「視床下部(ししょうかぶ)」からエストロゲンの分泌刺激ホルモンが分泌されますが、卵巣自体の機能が衰えていることで刺激ホルモンが分泌されてもエストロゲンの分泌量は増えません。
このことによって、視床下部に混乱が起きます。
視床下部は、自律神経のコントロールを行っているので、混乱によって『自律神経失調状態』の症状が強く出ます。
このとき現れる症状が一般に『更年期障害』と呼ばれているものです。
主な症状としては、「イライラ」、「めまい」、「ほてり」、「のぼせ」、「動悸」、「息切れ」、「汗をかきやすい」、「不眠」、「情緒不安定」などがあります。
それに伴って、口の中の抵抗力が減弱しますし、精神的にも身の回りのことをするのが億劫になり、歯磨きも怠りがちになります。
女性ホルモンの量が減ることによって、骨粗鬆症,脳梗塞,心筋梗塞など血管の病気のリスクの増加、アルツハイマー病,萎縮性膣炎 などの病気に罹りやすくなります。
これらは、歯原性菌血症ともかかわっていますので、お口の為にも全身の健康の為にも歯のクリーニングが大切になってきます。